楠山正雄さんの訳の小説「ヘンゼルとグレーテル」

共有学習カードに、楠山正雄さんの訳の小説、グリム兄弟のヘンゼルとグレーテルがあります。
ヘンゼルとグレーテルの全文読むことができます。

ヘンゼルとグレーテル

         一

 まずしい木こりの男が、大きな森の近くにこやをもって、おかみさんとふたりのこどもとでくらしていました。ふたりのこどものうち、男の子がヘンゼル、女の子がグレーテルといいました。しがなくくらして、ろくろく歯にあたるたべものを、これまでもたべずに来たのですが、ある年、国じゅうが大ききん[#「ききん」に傍点]で、それこそ、日日のパンが口にはいらなくなりました。木こりは、晩、寝床《ねどこ》にはいったものの、こののち、どうしてくらすかかんがえると、心配で心配で、ごろごろ寝がえりばかりして、ためいきまじりに、おかみさんに話しかけました。
「おれたち、これからどうなるというんだ。かわいそうに、こどもらをどうやってくわしていくか。なにしろ、かんじん、やしなってやっているおれたちふたりの、くうものがないしまつだ。」
「だから、おまえさん、いっそこうしようじゃないか」と、おかみさんがこたえました。

「あしたの朝、のっけに、こどもたちをつれだして、森のおくのおくの、木《こ》ぶかい所まで行くのだよ。そこで、たき火をしてやって、めいめいひとかけずつパンをあてがっておいて、それなりわたしたち、しごとのほうへすっぽぬけて行って、ふたりはそっくり森の中においてくるのさ。こどもらにかえり道が見つかりっこないから、それでやっかいがぬけようじゃなか。」
「そりゃあ、おめえ、いけねえよ。」と、木こりがいいました。
「そんなこたあ、おれにはできねえよ。こどもらを森ん中へおきざりにするなんて、どうしたって、そんなかんがえになれるものかな。そんなことしたら、こどもら、すぐと森のけだものがでてきて、ずたずたにひっつぁいてしまうにきまってらあな。」
「やれやれ、おまえさん、いいばかだよ。」と、おかみさんはいいました。「そんなことをいっていたら、わたしたち四人が四人、かつえ死にに死んでしまって、あとは棺桶《かんおけ》の板をけずってもらうだけが、しごとになるよ。」
 こうおかみさんはいって、それからも、のべつまくしたてて、いやおうなしに、ていしゅを、うんといわせてしまいました。

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2007年12月13日 11:35 | コメント(0) | トラックバック(0)

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