共有学習カードに、芥川龍之介さんの小説「奉教人の死」があります。
奉教人の死の全文読むことができます。
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たとひ三百歳の齢《よはひ》を保ち、楽しみ身に余ると云ふとも、未来永々の果しなき楽しみに比ぶれば、夢幻《ゆめまぼろし》の如し。
[#地付き]―慶長訳 Guia do Pecador―
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善の道に立ち入りたらん人は、御教《みをしへ》にこもる不可思議の甘味を覚ゆべし。
[#地付き]―慶長訳 Imitatione Christi―
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一
去《さ》んぬる頃、日本長崎の「さんた・るちや」と申す「えけれしや」(寺院)に、「ろおれんぞ」と申すこの国の少年がござつた。これは或年御降誕の祭の夜、その「えけれしや」の戸口に、餓ゑ疲れてうち伏して居つたを、参詣の奉教人衆《ほうけうにんしゆう》が介抱し、それより伴天連《ばてれん》の憐みにて、寺中に養はれる事となつたげでござるが、何故かその身の素性《すじやう》を問へば、故郷《ふるさと》は「はらいそ」(天国)父の名は「でうす」(天主)などと、何時も事もなげな笑に紛らいて、とんとまことは明した事もござない。なれど親の代から「ぜんちよ」(異教徒)の輩《ともがら》であらなんだ事だけは、手くびにかけた青玉《あをだま》の「こんたつ」(念珠)を見ても、知れたと申す。されば伴天連はじめ、多くの「いるまん」衆(法兄弟)も、よも怪しいものではござるまいとおぼされて、ねんごろに扶持して置かれたが、その信心の堅固なは、幼いにも似ず「すぺりおれす」(長老衆)が舌を捲くばかりであつたれば、一同も「ろおれんぞ」は天童の生れがはりであらうずなど申し、いづくの生れ、たれの子とも知れぬものを、無下《むげ》にめでいつくしんで居つたげでござる。
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2007年11月21日 21:27 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
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