共有学習カードに、楠山正雄さんの小説「牛若と弁慶」があります。
牛若と弁慶の全文読むことができます。
一
むかし源氏《げんじ》と平家《へいけ》が戦争《せんそう》をして、お互《たが》いに勝《か》ったり負《ま》けたりしていた時《とき》のことでした。源氏《げんじ》の大将《たいしょう》義朝《よしとも》には、悪源太義平《あくげんたよしひら》や頼朝《よりとも》のほかに今若《いまわか》、乙若《おとわか》、牛若《うしわか》、という三|人《にん》の子供《こども》がありました。ちょうどいちばん小《ちい》さい牛若《うしわか》が生《う》まれたばかりのとき、源氏《げんじ》の旗色《はたいろ》が悪《わる》くなりました。義朝《よしとも》は負《ま》けて、方々《ほうぼう》逃《に》げかくれているうちに、家来《けらい》の長田忠致《おさだのただむね》というものに殺《ころ》されました。
平家《へいけ》の大将《たいしょう》清盛《きよもり》は、源氏《げんじ》にかたきを取《と》られることをこわがって、義朝《よしとも》の子供《こども》を見《み》つけしだい殺《ころ》そうとかかりました。
義朝《よしとも》の奥方《おくがた》の常盤御前《ときわごぜん》は、三|人《にん》の子供《こども》を連《つ》れて、大和《やまと》の国《くに》の片田舎《かたいなか》にかくれていました。
清盛《きよもり》はいくら常磐《ときわ》を探《さが》しても見《み》つからないものですから困《こま》って、常磐《ときわ》のおかあさんの関屋《せきや》というおばあさんをつかまえて、
「常磐《ときわ》のいるところをいえ。いわないと殺《ころ》してしまうぞ。」
と毎日《まいにち》ひどくせめました。
常磐《ときわ》はこのことを聞《き》いて、
「おかあさまを殺《ころ》してはすまない。わたしが名《な》のって出ても、子供《こども》たちはまだ小《ちい》さいから、たのんだら殺《ころ》さずにおいてもらえるかもしれない。」
と思《おも》って、京都《きょうと》へ出かけました。
ちょうど冬《ふゆ》のことで、雪《ゆき》がたいそう降《ふ》っていました。常磐《ときわ》は牛若《うしわか》を懐《ふところ》に入《い》れて、乙若《おとわか》の手をひいて、雪《ゆき》の中を歩《ある》いて行きました。今若《いまわか》はそのあとからついて行きました。
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2007年11月21日 11:09 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
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